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ネットワーク理論 - WinChalow

2004-05-18 Tue

Ping Corruption


Ping Aggregation will be dead.
http://blog.bulknews.net/mt/archives/000990.html

楽天がpingをとばすようになるので、アグリゲーションがパンクするということなようです。いわゆる"Cascade Corruption"の一種ですね。「インターネット大陸移動説」では、blogが中央大陸(楽天)を浸食する過程で、島嶼の一部が中央大陸からの雪崩にまきこまれて水没する、という説明になりましょうか。興味深い現象です。

さっそく水没したサイトがあったもようです。
http://naoya.dyndns.org/~naoya/mt/archives/001097.html

Myblog JAPANは5分間に200pingで床下浸水のもよう。
http://www.myprofile.ne.jp/blog/archive/saito/92

よく考えてみたら、pingだけでもパンクするくらいなので、楽天のblogサーバー自体は相当な負荷がかかっているはずです。blogブームは、実はサーバ屋が仕掛けてたりして…

そういえば、PingやTrackBackなどの強制リンク要請のシステムが登場する前のウェブには、強大なハブが弱小局を直接、物理的に押しつぶすようなことはありませんでした。インターネットやハブの性質が変化していることは、間違いなさそうです。いや、実に興味深い…

2004-05-14 Fri

Winny ネットワーク崩壊


47氏の拘束以後、おそらくWinnyネットワークは崩壊の過程にあるものと思われます。ファイル送信元のハブをいくつか潰したうえで、Winny開発元を潰し、さらにWinnyを配布していた大きなホームページを潰すという戦略で、ACCSが手こづっていた頑強なWinnyネットワークが崩壊したとすれば、意外にあっけない幕切れだったという感じがします。

RIAAやACCSがやっているような「個別のノードを潰す」戦略は、コストも時間もかかる割に効果があがりにくいようです。これはネットワーク理論からすれば当然のことで、ランダム・ネットワークですら、閾値に達するまでは頑強にもちこたえるわけですし、ましてやスケールフリー・ネットワークに対しては、ほとんど無効な戦略なのです。(see バラバシ本[2004-04-12-1]

WinnyのP2Pネットワークが、ただのランダム・ネットワークだったのか、それとも成長性と優先的選択によってスケールフリー・ネットワークになっていたのか、あるいはまた新種のネットワークだったのか、ネットワーク理論の立場からの究明が待たれるところです。

[http://www.hirokiazuma.com/archives/000093.html]